社長の酒造りコラム 80%精米のお酒
80%精米のお酒のはなし
今期は80%精米のお酒にチャレンジしました!
昨年、東京のとある方が蔵に来られて、今、低アルコールが売れてる!という話になりまして、
是非、篠峯でも低アルコールのお酒(13%で原酒らしい)を造ったらバカ売れ間違いなしですと言われ、
本当は山田錦55%精米でアルコール13%台の原酒を造る予定だったんですが、
そちらのお酒は自信が無くなって15%台のアルコールに仕上げちゃったんです。
話が逸れましたが、80%精米のお酒も一応14%台のやや低アルコールに仕上げる青写真はありました。
その他の事は出たとこ勝負で。麹歩合だけは他の仕込みより増やしておきましたが。
まずは奈良県産亀ノ尾80%精米でチャレンジ!
今までもどぶろくは77%精米でやってきていますし、千代ブランドの山廃純米も
精米歩合は77%だから、それほど恐れてはいなかったんですが、舐めてましたね。80%精米を。
精米歩合3%の差(77%→80%)がこれほどとは。
亀ノ尾という一般米で硬質米だからという事もあるんでしょうが、醪が走るので大変です。
もともと甘く仕上げるつもりは無かったんですが、このままいったら日本酒度+20とかになるんでは?
という恐怖におののきましたが、何とか+6.5の日本酒度に収まってくれました。
粕歩合も26%とまずまず。
でも造ってて何のために80%精米にするのか、疑問だらけでした。というか今もやや疑問。
何故、わざわざ80%精米で酒を造るのか?そこに山があるからって感じでしょうか。
疑問はありつつも精米してしまったし、製造計画も待ってはくれないので、
引き続き櫛羅産の自作米山田錦での80%精米での仕込み。
今まで、櫛羅ブランドは9号酵母と決めていたのですが、このスペックでは11号酵母にしちゃいました。
協会11号酵母ってどうなんでしょうか??
こちらは製造計画上お正月またぎの醪になったので、こちらも日数を持たせるのにヒヤヒヤ。
何とか、1月7日まで醪をもたせました。日本酒度は+8.5までいっちゃいましたけど。
こちらは粕歩合22%とまずまず溶けてくれました。さすが、自作米山田錦!
と、2本80%精米の低精白でお酒を仕込んでみて、自分を納得させられたのは、純米だけど重くない、
アル添酒みたいな個性を持ったお酒には出来たかなという事でした。
やっぱりお酒はお米をある程度磨いた方が美味しいです♪(すみません、あくまで個人の感想です)
でも、来年も仕込もうと思います、80%精米のお酒。
米を磨き過ぎたお酒よりはよっぽど良いように思います。
来年仕込む際は、酵母なんかはどういう選択が良いのか考えたいですけどね。あらためて。
ちなみに今期の亀ノ尾は協会6号酵母を使用しました。
低精白米仕込にはホントは生酛とか山廃が良いのかもしれませんが、
サクサク軽快に飲めるアル添酒みたいな純米酒というポジションなら速醸でも良いかと思います。
亀ノ尾80も櫛羅80も、うすにごりは好評?のうちに完売となりました。
残りはどちらも無濾過生原酒です。
うすにごりの澱効果で売れてるだけかもしれませんし。
無濾過生原酒は、もう少し味乗りを待っての出荷となります。
もう少しお待ちください!
次回に続く…