『櫛羅』の地で創り続ける日本酒

葛城山の恵みである地下水を自社井戸で汲み上げ、仕込み水に。
この当たり前が続けられていることに感謝しながら、この地での酒造りに取り組んでいます。
日本酒は何のお酒かといえば、原材料がお米ですので、当然お米のお酒です。しかしながら、そのお酒をさまざまな個性に分けていくベースは仕込み水ですので、日本酒は”米の酒”であると同時に”水の酒”であるともいえます。各蔵のお水の性質によって、お酒もさまざまな個性に枝分かれしていきます。
自然豊かなこの『櫛羅』の地に酒蔵があること。その恩恵と共に酒蔵を引き継いだ蔵元として、この水を生かし、この土地の恵みを生かす酒造りを続けていきたいと願っています。

『米』を大事に

「良い酒を造るためには、まずは良い米を使うところから始めたい」。
そんな願いから1996年酒蔵の周りで自作の山田錦を育て始めました。
それから四半世紀が経ち、現在でも耕作地は増え続けています。自分たちの手で米を栽培しているからこそわかる事、そのお米だけで酒造りを続けてきたことでわかった事がたくさんあります。農業は醸造に生かされ、醸造も農業にフィードバックされます。
「米を大事にする」それは米粒一粒を大事に扱う事。田んぼの違いを感じて米の性質の違いを大事にすること。異なる米の性質をお酒の個性の違いに繋げる酒造りを行うこと。
自分たちが育てたすべての『米』を大切にしながら、私たちは酒造りを続けています。

『浪漫』を感じて

良い日本酒は、美味しいだけでなく、心地よい酔いがもたらされることで人の心身を癒します。そして和らいだ心持ちになることで、人と人とを繋ぎ、良い『縁』を育んでくれます。そんな素晴らしい日本酒を造ることを生業とした者として、『浪漫』を感じるお酒を造り続けていきます。
では、お酒造りにおける『浪漫』とは何でしょう?
それは、人の手仕事によるものでありながら、実は人間ではなく、微生物の力で醸されているところです。微生物の働きですから、自然と同じく人間の都合でコントロールできるものではありません。逆に自然の力による農業も微生物による醗酵も人間の思う通りに進むものではないからこそ、そこに浪漫を感じます。現代の醸造技術は、人の力でほぼ思い通りの酒を造れる領域にまで到達しつつあります。だからこそ、人の力だけではなく、自然の力を生かした農業と醸造に私たちは取り組んでいきたいと考えています。絶えず進化し続けながら。