コラム

社長の酒造りコラム 1996年の続き

登熟の話

前回は初年度素晴らしい自作米山田錦が収穫できました!という話でした。

あの時、10日早く収穫していれば。。

農業をお願いしていた近所のおっちゃんは、普通の飯米しか栽培した事が無くて、
飯米の刈り時と同じタイミングで稲刈りを待っていたら、いつの間にか刈り遅れていたという訳でした。

稲穂の先からポロポロと大量の籾が田んぼに落ちちゃってました。
その代わり、稲穂の根元近くまで黄色くなっていましたが。

但馬から来ていた杜氏さんに怒られちゃいました。
早く稲刈りしなさいと。

古い品種の米は稲穂も長いし、脱粒しやすいって事も知らずに山田錦を栽培してたって事です。
知らなくてもきちんと観察して判断出来ていればもっと早くに稲刈りしたはずだったのに。
初めての山田錦栽培でしょっちゅう観察はしてたのに正しい判断は出来なかったんです。
残念な人でした。私。

逆に言うと、今はもうあんなに稲穂の根元近くまで黄色く登熟した山田錦を収穫する事が無いのは
少し寂しいかもしれません。

本当は稲穂の先を無駄にしてでも登熟を待った方が美味しいお酒になるかもしれませんから。

実際どうなんでしょうか?

どっちが美味しいお酒になるんでしょうか?

一般には稲穂の先の方が良い米だからと言われているので、
先を重視して稲刈りをした方が良いのだろうとは思います。

そんな研究をした論文を読んだ事がないのですが。

こんな初歩的な事すらはっきりした事が分からず、米作りして酒造りしてたんでは
ダメですね。

でも、これからもっと日本酒が美味しくなる余地が残っていると思えば楽しみも広がるってものですね。

という訳で、櫛羅純米吟醸1996の醸造の話は、

次回に続く。。。

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