社長の酒造りコラム 河津さんの話
恩人の話
前回は何故アミノ酸が増えるのか?みたいな話でした。
今回は梅田にあった居酒屋さんの話。
25年ぐらい前になりますが、酒蔵に来た当初、
鑑定官の先生に梅田にある居酒屋さんで「河津」さんをご紹介頂きました。
勉強になるから飲みに行ったら良いよとの事で。
残念ながら今はなくなっちゃっいましたが。
全国各地の地酒が揃っていましたし、森伊蔵なんかも普通に並んでいました。
行くと必ずさつま揚げを食べてました。手作りの。
いつもカウンターの端っこに座らせてもらって、
手の空いたときにお話しを伺ったり、大将がこれ飲んでみたらと少し注いで
くれた、色んなお蔵のお酒の味を見せてもらったり。
残念ながら、その当時飲ませてもらったお酒で美味しかった銘柄を忘れてしまったんですよね。
どのお酒が美味しかったかなあ。
大阪での初めてのお酒の会も「櫛羅」ブランドで河津さんにやってもらって、
酒蔵で20年以上続けてきた利き酒会にも最初のころからスタッフさん共々参加して頂いたり、
奈良に来て最初の恩人です。河津さんは。
お店には千代酒造のお酒もたまに置いてくれていました。
「千代 純米吟醸生原酒」。ある酒屋さんグループのP.B.でした。
五百万石とか八反錦の60%精米、アルコール18%。
酵母は協会9号酵母。
ある時、そのお酒がもの凄い「生老(なまひね)」だった事がありました。
もう少しいくと飲めないねってレベルで。
酒屋さんの管理もどうなの??って事はあったでしょうが、ほぼ蔵の責任です。
大将には「メーカーの人は自分のとこのお酒がどんな風になっているか
知らなさすぎ」って良く怒られました。今なら直ぐに回収ってレベルかもしれません。
それでもずっとうちのお酒を置いてくれて、
そのうちに河津さんオリジナルラベルの「雄町純米大吟醸」を
常備してもらえるようになったのでした。
アミノ酸の量と関係があるのかは分かりませんが、
「生老しにくいお酒を造ろう」が次の目標になりました。
次回に続く。。。