コラム

社長の酒造りコラム 森伊蔵も飲みました

生老(なまひね)の話

前回は河津さんのお話でした。

今思うと返す返すも、残念なのはその時飲ませてもらったお酒を覚えていない事ですね。

越乃寒梅の焼酎を飲ませてもらった事は覚えているんですけどね。(箱入りのあのヤツです)
日本酒の記憶があんまり無い。

アルプス酵母で造った大吟醸酒は熟成すると苦いという事で、
アルプス酵母のお酒は結構飲ませてもらいました。当時やや流行ってたんですね。
千代酒造でも某所からアルプス酵母を分けてもらって、アルプス酵母で5年ぐらいは出品酒を醸していたかな??

前回も書きましたけど、飲食店さんでお酒の会を開いて頂いたのも河津さんが最初でした。
メインは「櫛羅」のお酒。篠峯はまだ生まれていなかった頃です。後は「千代」ブランドを何点か。

お客さんの数が少なかったのか、お酒の量が多かったのか、今となっては全く覚えてませんが、
その時に残った「櫛羅」のお酒をカウンターの上の棚に新聞紙を巻いてずっと熟成させてくれていました。
四合瓶が1本と一升瓶が2本だったかな?

残酒なので開栓もしてありましたし、量も段々と減っていってましたけど、
5,6年は熟成させてくれてあったはずです。

その中でも櫛羅初年度か2年目の中取り生酒がドンドン美味しくなってビックリした事を覚えてます。
お酒の会の時は生老があって、そんなに評価が高いわけでもなかったお酒でしたけど。

毎回、行くたびに飲ませてくれた訳でも無くて、
年に2回位はその棚上放置の常温熟成生酒を飲ませてもらってたんでしょうか。

あの変化を大将も喜んでくれてたんですかね。

本当に色々お世話になりました。

まあ、ひいき目です。造った本人ですし。

でも、あの会に来られてたお客さんで、その後同じお酒を飲ませてもらってた人も
10年後ぐらいに会った時に美味しかったって言ってましたから、美味しかったのかもしれないですね。

そんな具合で、生老も難しいです。

生老が嫌なら、直ぐに火入をしたら良いのです。

でも、たまに、直ぐに火入をしたお酒でも「生老してますね」なんて
コメントをする審査員もいて、あー適当なんだなあって思う事もあります。

千代酒造のお酒は搾った瞬間から生老してるのかもしれませんけど。。

どうしたら生老しにくいのか?

次回に続く。。。

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