コラム

社長の酒造りコラム 手間のかかるモノ 

摘房の話

前回までの精米の話は、結局精米歩合の正解って何なんでしょう?という
それだけの話になってしまいましたが、なるべく磨かずに良いお酒を!っていうことに
これからだんだんとなっていくんでしょうか。究極はやっぱり玄米なんですかね!

でも、あえて正解を見つけなくても、正解のない事の方が面白いのかなとも思います。

前々回の話でブドウの摘房の話を出しました。
良いワインの為に、青いうちに余分な房を落としていくというやつです。
ブドウの凝縮度を上げるためにやるヤツです。多分。

25年ほど前まで、山梨県勝沼のワイナリーで働いていました。ワイン醸造とブドウ作り。
当時、ブドウ栽培は齧る程度でしたが、摘房ってそんなにした記憶が無いです。
棚栽培の甲州種ばっかりだったからなのか、その作業をたまたま担当してなかったからなのか
今となっては不明です。

当時、日本最高のワインを造っているのは山梨だ!って自負は周りのワイナリーさんからも
ヒシヒシと感じてました。大手ワイナリーと呼べるところも沢山ありました。

今は日本のワイン産地的には北海道最高!!って感じなんでしょうか。
長野でも熊本でも美味しいワインはあるみたいですね。
奈良でもブドウ栽培の動きはあります。

酒蔵の近所では大阪の河内ワインも有名です。その中でも「仲村わいん」さんとは少し縁があって
社長さんとお話したこともありますし、ワインも4,5種類飲んだことがあります。

同じ酒屋さんが共通の特約店だったりするので、ブドウへの取組が凄いのを良く聞きます。

サビ取りの話です。手間のかかるヤツです。
もの凄く丁寧に徹底的に未熟果や病果を取り除いて醸しているんだそうです。

「仲村わいん」さんのワインは確かにオフフレーバーが少なくて、
大阪河内らしいワインで美味しいなあと思います。
その味わいは手間を掛けた味がするように思いますし、
そういう情報が頭にあってそう感じるのかもしれません。

ここから先は不確かな話なんで、そのつもりで。

数年前に古巣のグレイスワインさんにお邪魔する事があって、自然派ワインの話になりました。
そこでフランスだかどこだかのある自然派ワインの方は
そのサビ取りすら自然に反するから行わないって驚愕の話を伺いました。

確かに人間の手で選別する事は不自然かもしれません。
ほとんど病果が出ないブドウ産地なら不必要かもしれませんし。

でも、決してブドウ栽培適地とは言えない大阪で、懸命に手間暇かけて美味しいワインを
目指す姿も素晴らしいなあと思うのです。

このお知らせ一覧の最初のコラムの中で、藤田千恵子さんが「手間を掛けたい」と言った私を
かなり褒めてくれていますが、手間をかける事は本当に大変だし、
社長よりも従業員さんの方がもっと大変だけど、手間を掛ける事は尊い事だなと思います。

今回、摘房の話はほんの少しでした。

次回に続く…

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