コラム

社長の酒造りコラム 山内画伯のコト

櫛羅のラベルの話

前回は「櫛羅1996ヴィンテージ」が現存するならば10万円でも買いたいという話でした。
何処にも無いと思います。残念。。。

このお酒を搾ったのは1997年の3月ですが、当初は商品名も決まっていませんでした。

当時は「千代」がメインブランドでしたので普通は千代になるんでしょうけど。

当然、ラベルも決まっていなくてさてどうしたもんかと思っていたら、
近くの酒屋さんが色々考えてくれまして、結局、画家の山内さんを紹介してくれました。

こちらの山内さんはワイン好きで地酒も好きだったみたいで、
商品名もラベルデザインも任せる事になりました。

で、出来たのが「櫛羅純米吟醸」です。
櫛羅の田圃でとれた山田錦で造ったお酒なので、「櫛羅」というシンプル過ぎる理由です。
初年度、精米歩合を55%にしたので、「純米吟醸」です。

文字を書いてくれたのは天下茶屋にあった肢体不自由者支援の家に通っていた障がいのある方々。
山内さんが絵や文字を教えに行かれてた生徒さんでした。

割り箸で書いた文字と絵のような柄のような墨の痕。
「櫛羅」が一人、「くじら」が一人、「純米」が一人、「吟醸」が一人、柄が一人。
5人の生徒さんの合作で櫛羅のラベルが出来ました。

文字を選んだりレイアウトをしてくれたのが山内さんです。
「やゆたひと」というのが5人の頭文字を取ったグループ名でした。

このラベルに負けないお酒が出来ているか?
今でも自問自答です。

次回に続く。。。

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