コラム

社長の酒造りコラム 並行複発酵の事

アミノ酸の話

前回のコラムでは、「篠峯」は飲みやすいという話をしました。

でも中には、千代酒造のお酒は飲みにくいと感じる人もいるのでしょうね。
残念です。。。

ところで、前職の山梨のワイナリーで働いていた時に、
東京滝野川の醸造試験所に研修に行かせて頂きました。
何と3カ月間も。

もちろんワインの勉強で派遣された訳ですが、研究室での勉強以外に
座学の時間が結構あって、日本の伝統みたいな勉強もありましたが、
メインは日本酒醸造の講義でした。

参加者のほとんどが酒蔵の跡取りさんでしたから。

そこでは、まず、日本酒は世界に冠たる並行複発酵で醸されますと習います。

ワインは割とシンプルな単発酵ですし、ビールは日本酒と同じく複発酵ですが、
先に糖化を行う単行複発酵になります。

並行複発酵の利点は様々あるのでしょうが、その最たるものは
高アルコールのお酒を得られるという事です。

アルコール19%ぐらいは余裕でいきます。普通に醸せば。
純米でアルコール21%を超える蔵もあるというのはちょっと信じられないですが。

とにかく、もの凄い高度な技術や先人の努力の結晶です、
並行複発酵。

貴重なお米からわざわざお酒を造るんですから、ちょっとも無駄に出来ないですよ。

日本酒のドラマといえば、尾瀬あきら先生の『夏子の酒』がベストですが、
もうちょっと時代が遡ったドラマというと松たか子さん主演の『蔵』
というドラマは酒蔵の景色が感じられて良かったです。

大正、昭和初期の杜氏さんや蔵人さんの苦労とか、蔵主さんの旦那さん気質とか。
中でも目が見えないのに頑張る烈の姿には泣いちゃいますよ。

昔は米粒を残すと、「目がつぶれる」って親に叱られたものです。
ホントに昔は米が貴重でしたから。

という訳で、高アルコールにするのは美味しいお酒にするのと同じくらい
大切な事だったんだと思います。

酒蔵に来た当初、こんなお酒を造らないと売れないみたいな話を
当時の杜氏さんにしていると、たまに「うちは粕屋じゃなくて酒屋だよ」って言われました。

酒粕が沢山出るのは下手くそな杜氏さんというような感覚だった気がします。当時は。

「ワインの世界から酒蔵にやってきて、最初の目標は
アミノ酸の少ないお酒を造るという事でした。」

という話は残念ながら次回に続く。。。

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