コラム

社長の酒造りコラム ワインにおける精米歩合

反収の話

前回は摘房の話のつもりが手間を掛けるのは大変という話になってしまいました。

今回は反収の話です。

反収。それは1反当たりの収量の事です。10a当たりの収量です。
稲でもブドウでもビートでも日本では反収です。

アメリカだと1エーカー当たりで考えるんですかね。
1エーカーちょっと見当もつかないですけど。

フランスなんかだとha当たりが基準みたいですが、10aの10倍という事で
やっぱりスケールが大きいです。

以前ワイナリーで働いていた時の山梨の甲州種だと2tとか3tとかの
反収だったんじゃないですかね。今はかなり減らしているんでしょうか。

今は垣根栽培の甲州種もあるみたいで、そうなると反収もかなり違いがあるんだと思います。

もちろん気候とか土壌とか、病害虫なんかの自然の影響で収量は左右されるでしょうし、
施肥とか栽培方法とか人の手による事でもかなり収量に違いがあるんだと思います。

そして、収量に直結するのは摘房みたいです。
ブドウ畑を2回(2周)摘房するワイナリーもあるんだとか。

ワインにおける「精米歩合」は摘房という事になるんでしょうか?

さて、お米はどの程度の反収かというと、最新の品種改良された飯米だと10俵ぐらいでしょうか。
600kgです。玄米で。

うちが栽培している櫛羅の自作米山田錦ですと、反収5~7俵という感じです。
25年やってますが、気候だとか施肥の具合でこんな幅で毎年収量が違います。
最近の有機栽培だと6俵取れれば良い方です。300kgほど。

これが無農薬有機栽培になると2,3俵になるとか言われてます。
150kgとか。。

かなり少ないです。

ワイン銘醸地での反収がどの程度なのか分かりませんが、大体1tぐらいが平均みたいです。
ブドウの場合だとブドウ成分が凝縮するので、収量が少なくてもまだマシですが、
お米の場合はでんぷん質が凝縮するって事も無いように思います。

単純に比較は出来ないですけど、お米はそれほど反収が多いわけではないです。
お米の値段も30年前と比べると安くなりましたし、農家さんは大変です。

全国の酒蔵さんもこの貴重なお米をここから更に精米をして歩留まりが悪くなった白米で
酒造りをするわけですから大変です。

酒蔵自ら反収の少ない山田錦を米作りしてお酒にしている千代酒造はホントに大変です。

次回に続く…

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